二学期が始まって二週間ほど経つと、テストが少しずつ返ってきます。点数を見て「まあこんなものか」と思ったあと、答案がランドセルの底で丸まったまま週末を迎える。うちでも何度もありました。
宿題はやるのに、まちがい直しだけは進まない。これは子どものやる気の問題というより、直しという作業に「終わりの形」が見えていないことが多いようです。この記事では、まちがい直しが家庭で続くようになる三つの型と、低・中・高学年で変えたい声かけを整理します。効果の出かたには個人差がありますので、合いそうなところだけ持ち帰ってください。
なぜ「まちがい直し」だけ止まるのか
宿題には、プリント一枚・ドリル二ページというように、はっきりした終わりがあります。ところが直しには、それがありません。何問直せば終わりなのか、どこに書けば直したことになるのか、親も子も決めていないことが多いのです。
もう一つは、答案そのものが直しづらいことです。まちがえた欄はたいてい狭く、赤ペンで大きくバツが書かれています。そこへ小さな字で正解を書き込む作業は、子どもにとって「失敗の上に上書きする」体験になりがちです。気が進まないのは自然だと思います。
直しが続く家庭がやっている三つの型
その日のうちに、一問だけ
全問直そうとすると、まず着手しません。返ってきた日に一問だけ選ぶ、と決めてしまうほうが動きます。選ぶ基準は「点数が高い問題」ではなく「もう一回出たら、また間違えそうな問題」です。子ども自身に選ばせると、意外と正確に選びます。
残りを翌日以降に回しても、学習としては十分に成立すると言われます。大事なのは、答案を開かない日を作らないことのほうです。
直す場所を、答案の外に出す
直しは答案の余白ではなく、別のノートに書き写す形にすると進みやすくなります。問題を写す手間はかかりますが、そのぶん一問に向き合う時間が生まれますし、何より「バツの上に書く」感覚がなくなります。
罫線にドットが入っているノートだと、算数の筆算も図もそろえて書けるので、直し用として使いやすいです。うちは一冊を「直しノート」と決めて、教科をまぜて使っています。
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時間を先に区切る
「終わるまで」ではなく「五分だけ」と先に区切ると、始めるまでのハードルが下がります。残り時間が色の面積で見えるタイマーを机に置いておくと、こちらが声をかけなくても本人が動きはじめることがありました。
時間で区切ると中途半端になるのでは、と心配になりますが、途中で切り上げても直しノートには一問ぶんの記録が残ります。翌日の再開もしやすくなります。
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低・中・高学年で変えたい声かけ
低学年(1〜2年)は、親が一緒に座る
この時期はまだ「どこを間違えたか」を自分で特定できないことが多いです。答案を一緒に見て、間違いを探す係を親がやります。直すのは子ども、探すのは親、と役割を分けると揉めにくくなります。
声かけは「なんでこれ間違えたの」ではなく「この問題、もう一回だけやってみようか」。原因を言わせようとすると、たいてい黙ってしまいます。九九のつまずきのように、単元そのものが原因の場合は直しより前に戻るほうが早いこともあります。
中学年(3〜4年)は、選ばせて任せる
直す問題を自分で選ばせる段階です。親は選んだ理由を一言聞くだけにして、あとは口を出しません。選び方がずれていても、その場では訂正しないほうが続きます。
この学年から、直しの時間を宿題のあとに固定すると習慣になりやすいです。机まわりが散らかっていると着手が遅れるので、机まわりの整え方もあわせて見直すと効きます。
高学年(5〜6年)は、記録を本人に持たせる
高学年になると、親が管理しようとするほど反発が出ます。直しノートを本人の持ち物として渡し、親は見せてと言わない。かわりに、テストが返ってきた日だけ「今日返ってきた?」と確認します。
間違いの傾向が自分で見えてくると、直しの意味が変わります。点を取り返す作業ではなく、次の準備になる。そこまで来れば、こちらが言うことはほとんどなくなりました。
やってしまいがちな声かけ
- 「全部直してから遊びなさい」——量が見えないので、着手そのものが止まります
- 「なんでこんな簡単なの間違えたの」——原因の追及は、直しと別の作業です
- 「前も同じところ間違えてたよね」——事実でも、次の一問には効きません
- 「見せて」を毎回言う——高学年ほど、記録を取り上げられた感覚になります
字の乱れが原因で計算ミスが出ている場合もあります。その場合は直しより先に書き方のほうを見たほうが早いことがあります。
今日から変えられる、ひとつのこと
まちがい直しは、量ではなく「終わりの形」を決めると動きはじめます。一問だけ、別のノートに、五分で。この三つが決まっていれば、あとは子どもが自分で回してくれることのほうが多いと感じています。テストが返ってくる時期は、点数の話をする前に、直しの置き場所を先に作っておくと家の空気が変わります。


