十月の終わりから十一月のはじめにかけて、学校で読書週間の取り組みが始まる家庭が多いと思います。読書カードを持ち帰ってきたり、朝読書の時間が増えたり。せっかくなので家でも一冊、と思ったときに困るのが「うちの子が最後まで読み切れる本って、どれだろう」という一点ではないでしょうか。
この記事では、年長から高学年まで、学年ごとに「読み切れる一冊」の決め方を並べます。読書を好きにさせる工夫や感想文の書き方ではなく、今週その子が開いて、最後まで行ける本をどう選ぶかだけに絞ります。読む速さや好みには個人差がありますので、学年はあくまで目安としてご覧ください。
読書週間は、いつからいつまで?
読書週間は毎年十月二十七日から十一月九日までの二週間です。文化の日をはさむ形になっていて、図書館や書店でも展示が増える時期にあたります。ただし学校の取り組みは前後することがありますので、学級だよりや図書だよりの日付を確認しておくと安心です。
家でやることを増やす必要はありません。この二週間に、一冊だけ最後まで行く。目標はそれくらいでちょうどよいと思います。
学年べつ・最後まで読み切れる一冊の決め方
選ぶときに見るのは、内容の難しさよりも「どこで終われるか」です。途中でやめても気持ちが切れない作りの本は、翌日また開きやすくなります。
年長〜小学1年|文字の量より、めくる手が止まらないこと
この時期は、読む力そのものがまだ伸びている途中です。文字をすべて自分で追わせようとすると、本の中身より「読む作業」が前に出てしまいます。
- 見開きで話が一つ終わる絵本・写真の多い図鑑
- 同じ言い回しが繰り返し出てくる本(先が読めると安心して進めます)
- 親が半分読んで、子どもが半分読む——という分担にしてもかまいません
ひらがなをまだ拾い読みしている段階なら、本の前にカードで文字に慣れておくという順番もあります。遊びの延長で文字にふれておくと、絵本を開いたときの負担が少し軽くなります。
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小学2〜3年|一話が短く、区切りで終われる本
自分で読み進められるようになる一方で、集中が続く時間はまだ短い学年です。長編より、短い話がいくつも入っている本のほうが最後まで行きやすくなります。
- 短編集・シリーズもの(一話十ページ前後が目安)
- 章タイトルが付いていて、どこで切れるか目で分かる本
- 学校で読んだ本の「続き」や「同じ作者の別の本」——選ぶ手間がいりません
この学年で「分厚い本に挑戦させたい」と思ったときは、読み切れなかったときに残るものを先に考えておくとよいと思います。途中でやめた経験が重なると、次の一冊が重くなります。
小学4〜6年|続きが気になるか、調べたくなるか
高学年は、好みがはっきり分かれてきます。大きく二方向で考えると選びやすくなります。
| タイプ | 向いている本 | 選ぶときの目印 |
|---|---|---|
| 物語が好き | 続きが気になる長編・シリーズの一巻目 | 最初の十ページで登場人物の名前が三人以内 |
| 調べるのが好き | 図鑑・ノンフィクション・科学読み物 | 見開きで話が完結している(どこから読んでもよい) |
物語が苦手なお子さんに無理に長編をすすめる必要はありません。図鑑を二週間めくり続けたなら、それも一冊読み切ったうちだと思います。読書カードに書きにくいときは、「ここがおもしろかった」を一行だけ書けば十分です。
家で用意するのは「置き場所」と「五分」の二つだけ
本が決まったら、家の側で用意するのは二つです。
- 置き場所=手を伸ばせば届くところに置く。本棚にしまうと、読むまでに一手増えます。ダイニングの端でも、ランドセルの横でもかまいません
- 五分=毎日同じタイミングに五分だけ。寝る前でも、朝ごはんのあとでもよいので、時間の長さより、場所と時刻を固定するほうが続きやすいと言われます
本を身近にする工夫そのものは読書好きになる家庭の工夫にまとめていますので、二週間のあとも続けたくなったらそちらをどうぞ。
「読めているのかな」が気になったときは
読書週間になると、感想を聞いても「おもしろかった」しか返ってこなくて不安になる、という声をよく聞きます。ただ、感想が短いことと読めていないことは、必ずしも同じではありません。言葉にするのは読むより一段難しい作業だからです。
それでも気になるときは、読書とは別に、短い文で読み取りを確かめる問題集を一冊置いておくと様子が見えます。読書は好きなものを自由に、読み取りの練習は別枠で——と分けておくと、本のほうが宿題になりません。
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二週間のあとに残るもの
読書週間が終わると、読書カードも朝読書も元のペースに戻ります。それでかまわないと思います。残るのは冊数ではなく、「あの本、最後まで行けた」という一回ぶんの手ごたえのほうです。
もし一冊が終わらなくても、責める必要はありません。選んだ本が重かっただけのことが多いので、次はもう一段軽いものに替えてみてください。冬休みの読書感想文に向けた準備にしたい方は、読書感想文の書き方で本の選び方から順に書いています。
二週間で一冊。この秋はそれだけで十分だと思います。

