計算はできるのに文章題で手が止まる子へ|読み落としを減らす三つの手順と、反復ドリルと考える教材の使い分け

参考書・ドリル

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計算のドリルはすらすら進むのに、文章題のページになると鉛筆が止まる。そんな様子を見ると、算数が苦手になってきたのだろうかと心配になります。

けれど手が止まる場所をよく見ていくと、計算そのものではなく、問題文を読んで場面を思いうかべるところでつまずいていることが少なくないようです。ここでは家庭でできる三つの手順と、反復のドリルと考える教材をどう使い分けるかを整理します。

つまずいているのは計算ではなく、問題文の読み方かもしれません

文章題は、読む・場面を思いうかべる・式にする・計算する、という四つの作業が一つの問題に重なっています。計算が速い子ほど最後の作業だけが得意で、前の三つを飛ばしたまま数字を拾ってしまうことがあります。

ですから「文章題が苦手」とひとまとめにせず、四つのどこで止まっているのかを先に見分けます。見分けがつくと、増やすべき練習が計算ドリルではないことがはっきりします。

止まる場所を三つに分けて見分ける

お子さんが問題に向かっている様子を、一週間だけ観察してみてください。次の三つのどれに近いかで、手当ての順番が変わります。

家で見える様子止まっている場所先に試す手順
問題文を読んだ直後に「わからない」と言う場面が思いうかんでいない手順一
数字だけ拾って式を書き、たし算とひき算を取りちがえる数と数の関係が結べていない手順二
式は合っているのに、答えの単位や最後の一手がずれる何を聞かれたかを見失っている手順三

手順一 問題文を二回読む(一回目は場面、二回目は数)

一回目は数字をいっさい気にせず、登場するのは誰か、何が起きているのかだけを追って読みます。二回目でようやく数字を見ます。読む目的を二回に分けるだけで、場面を思いうかべる時間が生まれます。

低学年のうちは、二回目を親が読み上げて、お子さんは目で追うだけにしてもかまいません。読むこと自体に力を使い切ってしまうと、考える分が残らないからです。高学年で長い問題文が続くときは、一文ずつ区切って読むだけでも負担が下がるようです。

手順二 わかっていることと、聞かれていることに印をつける

二回目を読みながら、わかっている数には丸を、聞かれている文には線を引きます。印は色を変える必要はありません。大事なのは、問題文のなかで役割の違う言葉を手で区別することです。

この印つけをすると、「はじめに」「のこりは」「ぜんぶで」といった言葉に自然と目が止まります。文章題でつまずく子の多くは、この種の言葉を読み落としたまま数字だけを式に並べています。

読み落としが毎回続くようなら、算数のドリルを足すより、短い文を正確に読む練習のほうが近道になることがあります。言いかえや指示語をあつかう国語の問題集は、文章題の読み方にもつながります。

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使い方のくわしい手順はふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集のレビューにまとめています。

手順三 式を書く前に「増えるのか、減るのか」を声に出す

式を書く直前に、「これは増える話? 減る話?」と一言だけ聞きます。答えられたら、その言葉のまま式にします。答えに詰まったときは、手順一の一回目の読み方に戻ります。

声に出すのは、頭のなかで組み立てた見通しを外に出して確かめるためです。親が正解を言ってしまうと確かめになりませんので、こちらは聞き役に回ります。慣れてくると、声に出さずに同じ判断ができるようになる子もいます。

反復のドリルと、考える教材は役割が違います

ここまでの三つの手順は、どれも「考える時間を作る」ための工夫です。一方で計算ドリルは、手を速く正確に動かすための練習です。目的が違うので、片方を増やしてももう片方は伸びにくいと考えたほうが、家の教材選びは迷いません。

使い分けの目安

計算の速さや正確さが足りないときは、量の決まった反復ドリルを短時間で。答えが一つに決まらない問題に弱いときは、試行錯誤そのものが中身になっている教材を、週末など時間のある日に。どちらも毎日全部やろうとすると続きません。

試行錯誤の側を家庭で用意するのは手間がかかるため、届いた順にやればよい形になっている通信教材を使う家庭もあります。四歳から十歳向けで、キットとアプリを組み合わせて考える体験をあつかう教材が下記です。相性があるので、まずは体験用の教材から試すほうが確かめやすいと思います。

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一週間だけ試すときの回し方

  1. 月曜から水曜:手順一だけを試します。読み方を変えるだけなので、いつものドリルに足す時間はほとんどかかりません。
  2. 木曜と金曜:手順二の印つけを足します。印をつけた問題だけ、あとで見返せるようにしておきます。
  3. 週末:手順三を一問だけ。できた問題ではなく、止まった問題を一つ選んで声に出してもらいます。

一週間で正解が増えなくても、止まる場所が変わっていれば前に進んでいます。あきらめの早さそのものが気になるときはすぐ「わからない」とあきらめてしまう子への関わり方も合わせてご覧ください。まちがい直しが続かない場合は返ってきたテストの直し方が参考になります。

進み方には個人差があります。ここで挙げた手順も、合う合わないがありますので、お子さんの様子を見ながら一つずつ試していただければと思います。

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