宿題の答えを写してしまう子へ|叱る前に確かめたい3つの原因と、写さずに進む家庭のしくみ

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ドリルの答えのページが開いたままになっていた、丸つけをしたら全問正解なのに同じ問題を口頭で聞くと答えられない——そんな場面に出会うと、正直ひやっとします。夏休みのように「量を終わらせること」が前に出る時期は、とくに起こりやすくなります。ただ、答えを写す行為はずるさというより、どこかで詰まっているサインであることが多いようです。この記事では、叱る前に確かめたい3つの原因と、写さずに進むための家庭のしくみを、順番にまとめます。

まず前提|「写した」ことより「なぜ写したか」を見る

見つけた瞬間に出てくる言葉は、たいてい「なんで写したの」です。けれどこの問いは、子どもにとっては責める言葉としてしか届きません。答えは「終わらせたかったから」で終わってしまい、詰まっていた場所は最後まで見えないままになります。

先に確かめたいのは、写したページが「どの単元だったか」です。全部を写しているのか、特定の単元だけなのか。特定の単元だけなら、原因はかなり絞り込めます。(お子さんによって背景は異なり、個人差があります。)

原因1|今の学年の問題が、まだ早い

もっとも多いのが、手前の学年でつまずいたまま次に進んでいるケースです。たとえば分数の計算で止まっている子に、割合の文章題は解けません。本人も「どこがわからないか」を説明できないので、目の前の宿題を終わらせる手段として答えを写します。

見分け方は簡単で、写した単元の一学年前の問題を1枚やってもらうことです。そこでつまずくなら、今の宿題を叱っても解決しません。夏休みは“さかのぼり学習”のチャンスでも書いたとおり、戻るほうが結果的に早いことがあります。

原因2|「終わらせること」が目的になっている

残量が多いと、子どもは理解より提出を優先します。これは怠けではなく、締切を前にした合理的な判断です。大人でも同じことをします。

この場合に効くのは説教ではなく、量の割り直しです。残りページ数と、実際に机に向かえる日数を同じ紙に書き出し、一日分を三十分で終わる量まで刻みます。夏休み後半のリセット|残った宿題の棚卸しの手順がそのまま使えます。一日分が現実的な量になると、写す動機そのものが消えます

原因3|「間違いを見せると叱られる」と学習している

三つめは、家庭側にきっかけがあるパターンです。丸つけのたびにバツの数を指摘されてきた子は、「間違い=怒られるもの」と覚えます。すると、正解の状態で提出することが最優先になります。

この原因が疑わしいときは、丸つけの言葉を思い出してみてください。「またここ間違えてる」「何回言ったらわかるの」が続いていたなら、写すのは自衛の手段です。家庭学習で親子げんかになる…ぶつからないための工夫もあわせてどうぞ。

しくみ1|答えの置き場所を、親の側にする

いちばん確実なのは、答えのページを子どもの手元から離すことです。ドリルの巻末答えは切り離して親が保管し、丸つけのときだけ出します。

ここで大事なのは、「疑っているから取り上げる」ではなく「丸つけは私がやる係だから預かる」と役割の話にすることです。同じ行為でも、伝え方で受け取り方がまるで変わります。

しくみ2|丸つけは「合っている数」を数えない

丸つけのときに見るのは点数ではなく、間違いの種類だけで十分です。計算の手順を間違えたのか、問題文を読み違えたのか、単に写し間違えたのか。種類が分かれば次にやることが決まります。

この見方に切り替えると、間違いが「情報」になり、隠す理由が減ります。ケアレスミスの分け方は計算ミスが多い小学生への対処法にまとめています。

しくみ3|「わからない」を出せる合図を決めておく

写す子の多くは、「わからない」と言い出すタイミングを持っていません。そこで、あらかじめ合図を決めておきます。問題番号に印をつけて飛ばす、付せんを貼る、鉛筆を置いて手を挙げる——形式はなんでもかまいません。

飛ばしていい、というルールがあるだけで、埋めるために写す必要がなくなります。「わからない」と言えない背景についてはすぐ「わからない」とあきらめてしまう子へもどうぞ。

しくみ4|時間で区切り、量で追いつめない

「終わるまでやる」は、写す圧力をいちばん高くする声かけです。「三十分やる」と時間で区切ると、終わりが見えるので途中で投げ出しにくくなります。残り時間が目で見えるタイマーを机に置いている家庭もあります(時っ感タイマーのレビュー)。

取りかかり自体が重い場合は、宿題に取りかからない子への「最初の一歩」の声かけとあわせると動きやすくなります。

見つけたときの、最初の一言

その場で言う言葉を、あらかじめ決めておくと落ち着いて対応できます。おすすめは「ここ、むずかしかった?」です。写した事実には触れず、詰まった場所だけを聞く形になります。

本人が「うん」と言えたら、そこが出発点です。写したことを認めさせるより、詰まった単元を特定するほうが、次の一週間が変わります(声のかけ方の効果には個人差があります。)

よくある質問

写していたことを、本人に伝えるべきですか

伝えて構いませんが、問い詰める形にしないことが大切だと言われます。「答えを見て書いたページがあったよね。あそこ、むずかしかったんだと思う」と事実と推測を並べて置き、責める言葉を足さない。そのうえで、そのページを一緒にやり直す時間を取るほうが、再発しにくくなります。

何度注意しても直りません

注意で直らない場合、原因が「態度」ではなく学習内容の難易度か、量の設定にある可能性が高くなります。一学年前の問題が解けるかを確認し、解けないなら宿題の前にそこを埋める時間を作ります。量が多すぎる場合は、学校へ相談したうえで進め方を調整する選択肢もあります。

答えを見ながら解くのは、いつでもだめですか

いいえ。「解き方を確認するために見る」のと「答えだけ書き写す」のは別のことです。解説を読んでから自分で解き直す使い方は、むしろ有効な学習方法のひとつと言われます。家庭では「見てもいいけれど、見たら必ずもう一度自分で解く」というルールにしておくと、区別がつきやすくなります。

原因1で触れたように、いまの学年の問題がまだ早いと感じるときは、少し前の学年まで戻れる総復習ドリルが役に立ちます。一冊が薄く一回分も短いので「終わらせること」が目的になりにくく、答えを写さずに自力で進める手応えを取り戻しやすいタイプです。

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まとめ|写すのは、詰まった場所を教えてくれるサイン

宿題の答えを写してしまう背景には、①手前の学年でのつまずき ②終わらせることが目的になる量の設定 ③間違いを見せられない空気の3つが多く関わります。対策は、答えを親が預かる、丸つけで間違いの種類だけを見る、「わからない」の合図を決める、時間で区切る——この4つです。

写した事実を責めるほど、詰まった場所は隠れていきます。「ここ、むずかしかった?」の一言から始めるほうが、二学期の勉強はずっと軽くなります(ご家庭やお子さんによって合う方法は異なります。うまくいかないときは学校の先生にも相談してみてください。)

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